イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
え? え? 何? なんなの?
クールなイメージがガタガタ音を立てて崩れるくらい、勢いよく2人に笑われて、もうあっけにとられるしかない。
ねえ、一体何がそんなにおかしいの?
こっちは決死の思いで打ち明けたんだよ?
なんで笑い飛ばされなくちゃいけないわけ?
むぅっと膨れるわたしに気づいたのか、宇佐美さんが「ごめんごめん」と目元をぬぐった。
「だって、あるはずないよ、そんなこと」
「ないない、100パーない。あいつが不倫とか」
日向さんまでそんなこと言うの?
「あぁでも、なるほどね。君はそう思ってるわけだ。これは、坂田に同情しちゃうな」
「まったくだ」
そして、2人して意味ありげな目くばせ。
な、何よ?
何なの?
蚊帳の外状態に焦っていると、薄茶色の瞳が揶揄うような色を滲ませて見つめてきた。
「言っただろうが、あいつがあんたにベタ惚れなこと、俺たちはわかってるって」
べ、ベタ惚……いやいや、まさか。
頬に血が上るのを自覚して、膝の上に目を落とした。
「……や、あの、止めてください。そんなことあるわけないじゃないですか。彼女とは、イブの夜一緒だったんですよ? 本命に決まってるでしょう?」