イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「じゃあ、こっちの方で今までわかってることを伝えるね」
そう言ってまず、宇佐美さんが話し始め――……びっくりした。
なんと、わたしが迷っていた数日の間に宇佐美さんたちはもう動いてて、ファックスの発信元を特定していたのだそうだ。
「坂田が仮に犯人を知ってたとしても、絶対吐かないだろうし。まあどっちにしろ、警察に突き出す時のために、証拠は集めておいた方がいいと思って」ということらしい。
日向さんが教えてくれたのは、渋谷区の外れにあるコンビニだった。
「じゃあ、送信時間の防犯カメラの映像を見ればいいんですね……って、警察でもないのに、見せてくれませんか?」
ドラマでしか見たことないけど、令状、とかいうのが必要なのかな?
警察を頼れば、それだけ事態を大きくしてしまうし、それは坂田くんの望むところではないだろう。
唇を噛むわたしの前で、「まぁそれはそうだが……」と日本人離れした彫の深い顔立ちに、ニヤリと人の悪い笑みが浮かぶ。
「コンビニの店員も、ロボットじゃないからな」
「……はい?」
「それは、もうちょっと待って。今情報を仕入れてるんだ。なんとかできると思うよ」