イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「なんとかって……そんな、まさか。ば、買収とかするつもりですかっ?」
はたと閃いて叫べば、「あはは、そんなことしないよ」と軽やかに笑う宇佐美さん。
「ただちょっと、お願いするだけ」
お願い?
眉をひそめつつ隣へと目を移すと、日向さんは飄々と自分のグラスを空けてて。
まるっきり心配してないみたいだけど……。
そこで思い出す。
どんなど田舎の就職フェアでも、宇佐美さんが立つだけで、うちのブースに長蛇の列ができる、っていう噂。
この人もまた、坂田くんと同じく人たらしってやつなんだろう。
だとすると、もしかして……なんとかしちゃうかもしれない、彼なら。
「まずはこのコンビニを当たってみて、もし映ってなかったら、周辺の監視カメラを片っ端から当たってみよう」
「金の話が出てたってのも気になるな。あいつの周りで金絡みのトラブル抱えてる奴がいないかどうかも、調べてみるか」
「じゃあわたしも、そのお手伝いをっ」
ぜひ、と勢い込んで申し出たんだけど……揃って首をふられてしまった。
「ダメダメ。お姫様に無理はさせられないよ。動くのは僕たちだけで充分」
「あんたに何かあったら、坂田に殺される」
いや、だから、坂田くんの本命はわたしじゃないって、言いましたよね?
わたしも何かしたいんですってば!