イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

並んで歩き出すなり、狙ったかのようなド直球がくるんだもん。
「え!?」って硬直しちゃった。

「婚活パーティー、行くって言ってなかった?」

あ、あぁパーティー、そっちね。

「ええと、そうですねーあはは」

すっかり忘れてた。
いろいろあったからな、正直それどころじゃなかった。

「なぁに? いい出会いはなかったの?」

「いやそれが……えぇまぁ、そんな感じですね。それで親睦会の方に途中参加して」

「そっかぁ。だから言ったじゃない、社内恋愛の方が確実で安心よって。ダンナの友達にいい人いないか、聞いてあげようか?」

梓沙さんのご主人は、確かマーケティングだったな。
同期で知り合って、結婚して。
お子さんにも恵まれた幸せそうな家庭は、わたしの憧れだ。
でも……
「社内恋愛、ですかぁ」

なぜか意味もなく、ぽやんと脳裏に浮かべてしまったのは、坂田くんの顔。
ああいう社内のアイドルとつき合ったら、毎日嫉妬の嵐で大変だろうなって。

ぽいって簡単に捨てられちゃうかもだし……あれ?

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