イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
女子、社員……?
「その子が来そうな時間になると妙にソワソワして、エントランスばかり気にしてね。そしてついに彼女がやってくると、ゲートを通過してエレベーターの中に消えるまで、ずーっと切なげな目で見つめる。ね? 小学生かってくらい、わかりやすいだろ?」
ニヤニヤ面白そうに見下ろされて。
えっと……目のやり場に困るんですが……。
それって、まさかと思うけど……
「ここまで言えば、わかるよね。君だよ中村さん」
「まっ……まさかぁ」
プルプル、とんでもないと首を振る。
ありえないよ。
嬉しいけど……そんな妄想で、ぬか喜びしたくない。
だって、見たもの。
イブの夜、坂田くんのアパートに消えていった、あの綺麗な人……
「君も結構強情だね」
頑なに首を振り続けるわたしに、ちょっと呆れたような声音。
「う……すみません。でもわたし――」
「そんなに言うなら……確かめてみようか?」