イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
一歩、二歩、忍び足で室内に入り。
スイッチに手を伸ばす。
声の方へ目を凝らしつつ――、一気に電気をつけた。
蛍光灯が煌々と辺りを照らし出すと同時に、パタッと声が止む。
すかさず、一番奥の棚へと走り。
「誰っ?」
と叫んだ。
隅にうずくまった誰かの背が、ビクッと慄く。
メイクのはがれた顔が、ビクつきながらこっちを振り向いて――わたしは息を飲んだ。
「……西谷さん」