イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
18. 素人探偵、頑張る。
「……び備品、取りに来たの?」
ピリピリした空気に困惑するわたしを撥ねつけるように、彼は険しい表情を崩さない。
えっと……
カギ、なんでかけたんだろう?
まだ朝のこと、怒ってる?
「何探してるの? たぶん、わたしの方が早く見つけられるよ」
訳がわからないまま、不安を紛らわせたくて、わざと明るく話しかけてみた。
「探してる物、教えてくれれば――」
「どういうつもりだ?」
「え……?」
「オレの前で宇佐美とイチャつくとか、いい度胸だな。何考えてんだよ」
い、イチャつく?
宇佐美さんと、ってことは……もしかして、今朝のことを言ってるの?
いやいや、あれのどこが?
「別にイチャついてなんか……何言ってるのかわからないんだけど」
「昨夜は日向も一緒に、3人で飲んでたって? 随分盛り上がったそうじゃないか」
「昨夜? どうしてそれ……」
言いかけて、はたと口を噤んだ。
流さんだ……あの人が、坂田くんに教えたんだ。
「言ったよな、自分が女だってもっと自覚しろって」