イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

低く胡乱な声は、まるでわたしを責めるような響きを持っていて。
段々、なんでそんな風に言われなきゃいけないの、って腹が立ってくる。

昨日は自分に話しかけるな、なんて言ってたくせに。

関わって欲しくないんでしょ?
じゃあ、わたしのことも関わらなければいいじゃない。


「何怒ってるの? わたしたち、もう終わったよね? だったらどこの誰と何しようが、坂田くんには関係ないでしょ」

苛立ちのままに言い放つ。
そしてもうこんな奴無視して作業しよう、と決めて。

「もう放っといてよ」

背を向けた時だった。


「……ほっとけるわけ、ねえだろっ」


らしくない邪険な口調、それから乱れた足音が背後から聞こえて。


あっと思う間もなく、強引な手に腕を鷲掴まれ、引き寄せられ――


「――、……っ!」

噛みつくような口づけに襲われた。


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