イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

ズボンのポケットに片手を突っ込んだまま、気だるげな仕草で店内を見渡すその男の視線に捕まりそうになって、ガバッとうつむく。


うわ……今のわたし、思いっきり不自然だった?


ドキンドキンドキン……



飛び出しそうになってる心臓を、ギュッと押さえる。


落ち着け、落ち着け!


……ダメだ。
全身が、こっちの意志に反しててんやわんやの騒ぎ。

そりゃそうだ。
まさか一日目にして収穫があるなんて、誰が思う?


でも間違いない。

スレンダーなシルエット、色白の甘いマスク……あの男だ。
タトゥーの男。あいつが今、目の前にいる――!

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