イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
心の底からホッとした。
あの様子だと、彼が反社と関係あるなんて噂、もうみんな気にしてないみたい。
そりゃそうだよね。
努力と実力でトラブルを乗り越えて、大きなクライアントを獲得したんだもん。
ほんとにすごい。よかったぁ。
「西谷さんありがとね、坂田くんのこと手伝ってくれて」
笑顔を向けると、西谷さんが不満げに鼻を鳴らした。
「どうして坂田さんに言っちゃいけなかったんですか? 中村さんからサポート頼まれたこと」
あぁそうだったっけ。
余計な事するなって怒られちゃいそうだから、言わないでってクギ刺しといたんだよね。
あはは、と笑って誤魔化して、「とにかくありがとう」と重ねて言った。
「これで坂田さんのMVPは間違いなし。変な電話も最近はかかってこないし、人気再燃焼ですよ、絶対」
その言葉を裏付けるように、アシスタントの女子たちが人垣をかきわけて突進するのが見えた。
カラフルな小箱が続々手渡され……彼の両腕は、あっという間にそれでてんこ盛り。
あぁそっか、今日は――