イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

どうしてそんなめちゃくちゃなことが言えるんだろう。
ただの妄想で、決めつけてるだけじゃない。
彼のこと何も知らないくせに、何がわかるっていうの?

言い返そうとしたわたしは、「なのに、君ときたら」と胡乱げに続けた河合さんに遮られた。

「あれにはびっくりしたよね」
「あれ……?」

「運命の、そう、あれこそまさに運命の! 再会を果たした時だよ、年末に居酒屋で! 僕の方はすぐに運命だってわかったのに! 君ときたら、三井なんて小物のことは覚えてるくせに、また僕のことを忘れていた!!」

再会? い、居酒屋で?
年末、ってことは……あの合コンじゃないよね。

三井、さん?
って、あの三井圭太さん?
居酒屋で会った、といえば……

思い当たるのは、12月の同期会しかない。

酔っぱらってトイレを探してた時、確かに彼に会って……
そういえば、もう一人お連れの人がいたのは、かろうじて記憶にある。


――三井さん、彼女連れて行くんで、先行っててください。
――え、ぼくが連れて行きますよ。

――自分の方が、彼女と体格差あるし支えやすいと思うので。


嘘……全然覚えてないけど、まさか、あれが河合さんだった?

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