イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「チッ」
舌打ちの音、それからすぐに、視界がさっと暗くなった。
タトゥーの男が、その背にわたしを庇ってくれたのだと理解する間もなく。
バキッッ!!!!
「ぎゃああっ!!」
聞こえたのは、何かが砕けるような鈍い音。
獣の咆哮のような、河合さんの悲鳴。
そしてカラン、とたぶんナイフの落ちる音。
でも……あれ?
タトゥーの男は、わたしの前から動いていない。
一体何が起こったの……?