イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
その後は部屋に人があふれて、ものすごい騒ぎだった。
期待した通り、宇佐美さんはわたしとの通話が突然切れたことを不審に思って、警察に連絡してくれたらしい。
河合さんは逮捕されて。
わたしも一緒に来てほしいと言われたんだけど。
坂田くんが今夜は休ませたいと交渉してくれ、明日署に行く、ということで勘弁していただいた。
――結局おいしいところは全部、お前に持って行かれたな。
――後日全部、きっちり説明してもらうからね? あ、そういえば、なぜか中村さんは、お前に女がいるって思ってるらしいから、しっかり誤解解いとけよ。
――今度、絶対奢れ。焼肉な、高いヤツ!
日向さんと宇佐美さん、それから英二くん。
三者三様の台詞を残して、みんなが引きあげていき、あとにはわたしと坂田くんが2人きりで残された。
コーヒーを淹れ、ソファに並んで座ってホッと一息。
それから、彼が今回の顛末を説明してくれた。
「すべては、この部屋に泊まった日の朝、あの非通知電話から始まったんだ――……」