イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

清々しい気持ちで言い切って、隣を見ると。
なぜか飛鳥は眉を寄せ、微妙な表情……?

「えーとね……残念だけど、逆プロポーズは無理かもしれない」

「えっ……」

まさか反対されるとは思ってもみなくて、かなりショックだ。

「どうしてそんなこと言うの? そりゃ、営業マン相手にプレゼンなんて、うまくできるはずないかもだけどっ」

「ううん、失敗するっていう意味じゃなくて、できないってことよ」
「……できない? どういうこと?」


聞き返そうとしたところで。


わぁっ……!!!


会場中から歓声と拍手が沸いた。


スポットライトが当たっているのは……坂田くんだ。

周囲の人たちと次々握手を交わした彼が、壇上へ上がっていく。
社長からトロフィーを贈られてて。
これって……


「MVPの表彰ね」

飛鳥の言葉にこくこく頷いて、手が痛くなるくらい拍手しちゃった。

よかった……。
坂田くん、頑張ってたもん。
ほんとによかった。

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