イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

なんでそんなに余裕で笑ってられるの!?
こっちはもうパニックなんだから!

「な、なんで、こんなところでっ……」

「こうでもしないと、お前信じねえだろ。オレの本気」
「だ、だからって……」

明日からどんな顔で会社行けばいいのよっ?


「で、返事は? 結構これでも緊張してるんだけど」
「うぅう嘘ばっかりっ」

めちゃくちゃ冷静にしか見えないけど!

頬を押さえた両手に、彼の手が重なる。

「美弥子?」

優しく顔を覗き込まれて……ずるいよ。
こんなことされて、断れるわけないじゃない。
断る気なんて、ないけど。

見上げる切れ長の瞳に自分の姿を見つけ、じわりと甘やかな心地が広がっていく。

と同時に。
ひたひたと指の先まで、歓喜と幸福感が満ちて……。

潤む視界の中になんとか彼を捉えながら、


「よ、よろしく、お願い……します」


小さく頭を下げた。

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