イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「……やっと、だな」

くしゃりと安堵したように笑み崩れた彼の腕が、わたしの背に回り――……ぐいっと抱き寄せられた。

次の瞬間。


パァアアアンン!!!



巨大なクラッカーが弾けるみたいな音がして。

パッと会場中のシャンデリアに照明が灯り。

ふぁあああって無数の粉雪……じゃなくて、紙吹雪が舞い散るのが見えた。
まるでスノーボールをひっくり返したみたいな光景に、どっと何度目かの大歓声に包まれる会場。


「ななななな、何これ……」

こ、こんな演出、予定にはなかったはずだよね?

「おー、結構迫力出たな」
「は?」
全然驚いてる風にも見えない呑気な台詞に、ギョッと彼の腕の中で身じろぐ。

「どういうこと? まさかこれ……」
「進行担当が総務課で、ラッキーだったな?」

悪戯っぽいウィンクに、唖然とするしかない。

も、もしかして、わたしが受付担当でずっと会場の外に出されていたのは、そのためっ!?
みんなグルだったってこと!?

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