イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

怒ってない?

「え? え? いやいや、そう言って実は、怒ってるんでしょ? 無理しなくていいよ?」
「マジで怒ってないって」
澄んだ切れ長の瞳をまん丸く開いて、坂田くんが繰り返す。

「まぁそりゃ強烈だったけど、あれは我慢できなかったオレが悪い。中村の反応は当然だ」

確かに、その表情には怒りのカケラも見えないような。
でも……じゃあ……

「だって、リベンジするって言ったじゃない。ボコボコに仕返ししたいくらい、頭にきてるんじゃないの?」

首を傾げるわたしを見つめ返して、彼はつかの間言葉に詰まる。それから……


「ぶ、……ぁははははっ……!!」


……笑い出した。


「あははは、マジかよ、ボコボコって、そうくるか……くくくく……やばい、腹筋壊れそ……」


わたしを放して腰を折り、膝を叩いて爆笑する坂田くん。
こっちは目がテンだ。
どこにそんな、笑いのツボがあったんだろう?

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