イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「う、わぁ……」
そこは、ゴージャスなスイートルームだった。
入ってすぐに、ラグジュアリーなヨーロピアン調のソファを配置したリビングスペースがあって、ベッドルームはまだその先みたい。
でもまず驚いたのは……
「坂田くん坂田くんっ! すごいっ! 東京タワーとスカイツリーが同時に見えるよっ! めちゃくちゃ贅沢!」
ぐるりと部屋を囲むように取られた窓に広がっていたのは、壮大なパノラマ夜景。
駆け寄って視線を下に移せば、星屑を散りばめたみたいなファンタジックな光景があって、わぁってまた歓声。
「綺麗だねー! うちの会社、どのあたりだろ? ここから見えると思う?」
「美弥子」
窓ガラスに触れていた手に、後ろから伸びてきた手が重なって。
ピクッと肩が揺れた。
「あ、あのっ……ごめんね。ペラペラうるさくしちゃって」
震える手を悟られたくなくて。
そっと彼の手から引き抜いて、胸にしまい込む。