イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

嫌なわけじゃない。
ずっとずっと、彼とそういう関係になることを望んできた。
プロポーズもされて、幸せで……

でも、いざその場に臨んでみると、やっぱり一瞬怯んでしまう。
経験豊富な彼を満足させられるものが、わたしにあるのかなって。
がっかりさせちゃったら……

「なんで謝んの?」
「だって……ムード台無し、っていうか」

窓の方を向いたままモゴモゴ口の中でつぶやくわたしの身体を、後ろから笑い交じりに逞しい腕が包みこむ。

「いや、可愛いって思うけど? 緊張してんだろ?」

「う」
全部バレてる。

「い、イヤなわけじゃないの。けど、その……ご存知の通り、何ぶん初めてなので……」
「あぁ、わかってる。オレも緊張してるよ、初めてだから」

「へ!?」

嘘だよね? って振り仰ぐと、優しい眼差しが降ってきた。
「本気で惚れてる女、抱くの初めて」
「っ……」

触れた身体から、強い鼓動が伝わってくる。
その言葉がお世辞じゃないって感じて、甘く全身が蕩けるようだった。


「……あのね、一つ聞いていい?」
「ん? 何?」

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