イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
「んなわけねえだろ」
恨めし気な声と共にぎゅっと抱きしめられた。
「オレが見てたのはずっと、美弥子一人だ」
首筋に触れる熱い吐息に、きゅんと胸が疼く。
全然……全然、知らなかったよ。
そんな風にわたしのこと、見てくれてたなんて……
「じゃあなんでトライアルなんてふざけた提案したの? てっきり遊ばれてるんだとばかり思ってたんだよ?」
「あぁそれは……」
ゴンッと、彼の頭がわたしの肩を直撃。
ん? 落ち込んでいるらしい……?
「なななに?」
「想定外のアクシデントによる戦略崩壊の結果だ」
「そ、想定……え、何?」
「飲み会で、お前が誘ってくれたってカン違いして、ラブホ連れて行こうとしたことがあっただろ」
「う、うん、そうだったね」
西谷さんの会話を聞いちゃって……あの親睦会の時だよね。
「あれで、オレのことどう思った?」
「どうって……やっぱり、噂通りのプレイボーイなんだな、って……」
「だよな」
呻くように言って、坂田くんは吐息をつく。