イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!

「これからカラオケ行く人、います?」

ビルを出たところで男性の一人が提案して、何人かが同意する。

わたしは……どうしよう。行こうかな。
疲れてるけど、あまり話せなかった人もいるし。
もうちょっと話聞けたら、親近感沸くかも?

なんて。
迷いつつも、手を挙げようとした――んだけど。
途中でその手が、ぐいっと引っ張られた。


美弥子(・ ・ ・)、オレたちはこっちな。今日車で来てるから」


……は?

強制的に繋がれた手を見下ろして、言葉を失う。

ちょ、ちょっと……今、変なこと言わなかった?
みんな、思いっきり微妙な顔してるし?

「え、もしかして2人って……?」

「こういう関係だけど」
言い放った彼が、有無を言わせず繋いだ手を引く。
必然、わたしの身体は彼の胸に飛び込んで……抱きしめられてしまい、ギョッとした。

「ちょ、ちょっと! やだ、放してよっ!」

ありえない。
ありえないっ!
みんなの前で、一体何するのよこの男っ!

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