イケメン同期から全力で逃げてますが、逃げ切れる気がしません!
もぐもぐ口を動かしながら、チラリと振り返れば。
いつの間に来てたのか、食堂の中央を陣取った営業部アシスタントたちが、こっちを睨んでて。
ヒッて、肩が跳ねちゃった。
真ん中の席から特にキツい、レーザービームみたいな視線を飛ばしているのは、西谷さんで間違いないだろう。
あはは、と引きつった笑いを浮かべて前へ向き直り、こめかみを押さえる。
そうだった、こっちにも問題が……あぁ頭痛い。
「実は……ね、今朝、もう彼女たちに無視されたの」
ついさっき、午前中の出来事を思い出しながら、2人に打ち明けた。
「ええっ」
「マジですか!?」
「営業部に名刺届けにいったら、誰も受け取ってくれなくて」
声をかけたんだけど、透明人間みたいにスルーされちゃったのよね。
「うわ、陰険ね~」
「最悪」
「たまたま新条課長が通りかかって注意してくれて、助かったけど」
普段、人間関係に恵まれた部署にいるせいか、
あの無言の圧力は結構キツかったな。
「まぁ多少のやっかみはしょうがないかもね。雑誌に掲載されたあたりから、坂田くんはうちのアイドルになっちゃったから。しかも芸能人で言うなら、AKB系」
「AKB系??」