SKY CROWN
私は思ったことをそのまま言葉に出した。
「えっと、それって日向くんたちが『SKY CROWN』ってこと?」
「そう。」
嘘でしょ!?ってことは、目の前に私の目の前に私の大好きなグループがいるってこと!?
私が1人であわあわしていると、有田くんが『ふっ……』と必死に笑いをこらえていた。
そして、ついに笑いをこらえきれなくなったのか、声に出して笑い始めた。
「アハハハハハハッ!城本さんはわかりやすいなー。」
「えっ。だって!そんな有名人が目の前にいるんだよ!誰でも驚くに決まってるじゃない!」
つい、私も喋り始めてしまった。
「城本さんはいつも俺たちの曲のカバーしてくれるよな。」
と有田くんが言った。
「うん!『SKY CROWN』の曲どれも素敵!この前のライブの時の衣装も素敵だったし!男の子なのにあんなに綺麗に見せるなんてすごい!特にカラフルなアイシャドウがとっても綺麗だった!男の子なのにアイシャドウ似合うなんて素敵だよね!……あっ。」
自分が満足するまで言わると、ほぼ初対面の相手にいきなり自分の好きなグループのことを語り出している自分に気づいた。
すると日向くんが、にっこり笑って、
「城本さんはさ!俺たちのこと好き?『SKY CROWN』!」
と聞いてきた。もちろん答えは
「うん!好き!」
こんなに人と家族以外の人と長時間喋ったのは初めてかもしれない。
今までにっこり笑ってたのに、西谷くんだけど、あっ。と思い出したように言い始めた。
「また話が逸れた。それでボーカルの話なんだけど。」
あっ、そうだよ。日向くんがいきなりボーカルになって欲しいって言ってきたから、この話になったんだった。
「え?で、ボーカルになってほしいってどういうこと?」
とー、私が聞くと天宮くんと有田くんが、
「さっきも言ったように、太陽が『ボイスミュージック』で聞いた、君の声に惚れちゃって、それで自己紹介の所に16歳って書いてあったから、グループに引き入れたいって俺達に駄々こね始めてね。」
「で、俺たちに君の声を聞かせて、俺達も女の子の方から探してたから見つけられるんならいいんじゃないかなって話になって。あ、勿論君がやりたくないなら無理強いはしないよ」
そういうことだったんだ。……ん?っていうことは、私グループに入らないかって誘われてる?
『SKY CROWN』のボーカルに?
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