SKY CROWN
私はこのアプリの中では意外と人気者かもしれない。人気者というか、私のことをフォローしてくれているフォロワーさんが結構多いっていうのがちょっと自慢だったりする。つい最近10万人を突破した。
私はだいたいどんな曲でも歌えるし、ちょっと自慢なのが私は5オクターブの声が出る。色んな曲を歌っているうちに、だんだん慣れてきたのか、最近は男性が歌っている曲を少しキーを上げてから歌えるようになった。
アプリの中だったら顔も見えないし、緊張せず話せた。もし同じ学校、同じクラスの人達がこのアプリをしていたとしても、私が『月姫』だなんてわからず会話もできる。幸い私はあまり人と話さないから私の声を覚えてる人なんてあんまりいないだろうし。
ただ、もしクラスの人や知り合いにバレたりでもしたら発狂ものだ。そんなのが学校中に広まりでもしたら学校に来れなくなりそう。
でも、いきなりなんでこの話が出てきたんだろう。
私が返事をしたら日向くん達は顔を見合わせて頷いてもう一度聞いてきた。
「知ってるなら単刀直入に聞くけど、『月姫』ってアカウント知ってる?」
え……?
嘘でしょ、嘘でしょ、嘘でしょ!
いや、まって、ほとんど初対面なのに、何で気づいたの。えっ、私ネットに私が特定されるような個人情報何もあげてないはず。
えっえっ、なんでなんでなんで?本当に何で?
あーもう確実に明日から学校行きたくなくなるパターンだ。あー、どうしよう!
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