水に溺れた君と夏
「とりあえず、焦らないでいいから返事はくれよな。」

優しく、落ち着かせるようなトーンで言ってくれる陽都。

でも私の答えはひとつで。

「陽都。…私を救ってくれてありがとう。」

そして─

「私も、好きです。」

このふたつの言葉を
心からの笑顔で言うと、決めていたから。

「…嘘、だろ?」

…嘘はひどくない?
混乱してる様子の陽都に笑いがこぼれる。

「嘘じゃないよ。ほんと。」
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