水に溺れた君と夏
「宮川。」

…君は気配がないのかな?
いや、私が単純に気づかないだけか。

「吉良君。どうした?」

「日誌。」

「いや、いいよ。やっとく。
部活行っておいで。私帰宅部だし。」

水泳が大好きな彼が
部活に速く行きたくないわけがない。
天気いいなぁ今日。しばらく教室いようかな。
なんて思いながら返事する。

「ごめんな。ありがとう!」

申し訳なさそうに謝る吉良君。
気にしなくていいのに。
お人好しですなぁ。

「ん。」

そう言うと吉良君は部活へ行った。

日誌後ちょっとで終わるし、
しばらく教室残ってようかなぁ。

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