水に溺れた君と夏
「伊月ちゃん。」

「…どうしたの?」

なんでだろうか。こんなにも緊張するのは。

「あのね、お願いがあるんだ。」

あぁ、すごく心臓がはやい。
何か、大事な話な気がして。
でもそれが、警報として頭の中で鳴っている。

聞いたら、何かを失うよう気がして。

「…なに?」

少しの不安と恐怖を押し込めて聞く。

「最近、陽都元気なかったでしょ?」

「…うん。」

なるほど、警報はきっと
─水泳のことだったんだね。─

それが良い警報か悪い警報かは分からない。

けど─
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