水に溺れた君と夏

さんのいち

「今日の帰り、吉良君の家に連れてってくれないかな?」

大丈夫だと、自分に言い聞かせて。

「うん、もちろんだよ。ありがとう。」

瑠璃は私を少しの期待と不安そうな目で見てくる。

瑠璃は、少しだけど知ってるもんね。

「瑠璃、ありがとう。大丈夫だよ。」

安心させるように瑠璃に笑った。

さぁ、とりあえずは
吉良君の気持ちを整理させないと、始まらない。

ゆっくりでいい。今は7月。
大会まであと1ヶ月と二週間ちょっとなはず。

焦るのもわかるけど、それが余計にスランプへと繋がるから。

今日の放課後が勝負だ。

きっと荒れるだろう。だけど、負けてはいけない。

─梓月、出来るよね。─

双子の弟に願いを寄せて
ネックレスを握った。
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