水に溺れた君と夏
「いづー!水泳、見に行こっ」
そう声をかけられたときには女子は誰一人いなかった。
「ん、ごめん。行こっか」
足取りが重い。
近づくにつれ聞こえるのは水の音。
応援する声。
どれだけの年月、やってないとしても
泳ぎたいと心が、体が言っている。
─叶いもしないのに─
「ねね!郁弥が泳いでる!!
ほんとかっこいいなぁ…」
「ほんとに好きだね」
笑って答える。
上田君は全般的に運動出来るし、
それでいて優しそうな顔立ちだ。
勉強もそれなりにでき、対応もスマート。
王子だ。私の親友の彼氏は王子である。
もちろん、それなりに顔のいい彼は
モテないわけがないはずで。
すごく大きな男子の声援と
女子の甲高い声が聞こえてくる。
これだけ人気な上田君と瑠璃が続いてるのはやっぱり
お互いが想い合ってるからだろう。
泳ぎ終えたのかプールサイドに上がった上田君は瑠璃に気付いて優しい顔で手を振る。
それと同時にまた女子の甲高い声が響くが
目線は瑠璃一直線で。
瑠璃はぎこちなく手を振りかえした。
「 よかったね、瑠璃」
「っ!うんっ!!」
少なからず不安だったのだろう。
流石、上田君は気遣いさえもスマートである。
まぁでもあの優しい顔は本物だろう。
彼はすごく瑠璃を溺愛してるから。
そう思っていると今度は今以上に一段と
女子の大きな甲高い声が聞こえる。
頭と耳が痛い。どれほど叫ぶのだ。
そして何があった。
そう声をかけられたときには女子は誰一人いなかった。
「ん、ごめん。行こっか」
足取りが重い。
近づくにつれ聞こえるのは水の音。
応援する声。
どれだけの年月、やってないとしても
泳ぎたいと心が、体が言っている。
─叶いもしないのに─
「ねね!郁弥が泳いでる!!
ほんとかっこいいなぁ…」
「ほんとに好きだね」
笑って答える。
上田君は全般的に運動出来るし、
それでいて優しそうな顔立ちだ。
勉強もそれなりにでき、対応もスマート。
王子だ。私の親友の彼氏は王子である。
もちろん、それなりに顔のいい彼は
モテないわけがないはずで。
すごく大きな男子の声援と
女子の甲高い声が聞こえてくる。
これだけ人気な上田君と瑠璃が続いてるのはやっぱり
お互いが想い合ってるからだろう。
泳ぎ終えたのかプールサイドに上がった上田君は瑠璃に気付いて優しい顔で手を振る。
それと同時にまた女子の甲高い声が響くが
目線は瑠璃一直線で。
瑠璃はぎこちなく手を振りかえした。
「 よかったね、瑠璃」
「っ!うんっ!!」
少なからず不安だったのだろう。
流石、上田君は気遣いさえもスマートである。
まぁでもあの優しい顔は本物だろう。
彼はすごく瑠璃を溺愛してるから。
そう思っていると今度は今以上に一段と
女子の大きな甲高い声が聞こえる。
頭と耳が痛い。どれほど叫ぶのだ。
そして何があった。