水に溺れた君と夏
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「吉良くん、完治おめでとう!」

「陽都、油断はするなよ?」

上田君の言葉はごもっともです。
これで焦ったら意味がないしね。

「おう、悪いな。心配かけた。」

「ほんとだよ。」

「なっ。伊月!」

「ふふっ。嘘だよ。」

やっと、日常が返ってきた気がする。
やっぱり暖かいな、なんて思う。

「でもな、陽都。
なんで来たのが夏休みに入る前日なんだ?」

それはある。
キリがいいのか悪いのか…。
でもケガの完治が早いに越したことはないんだけどね。

「ごめんて。」

笑いながらそう返す陽都。

「良かったね、いづ」

優しい笑顔で言ってくる瑠璃には感謝しきれなかった。

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