水に溺れた君と夏
「伊月、明日も家来るか?」

あぁ、学校無いしね。

「…んー。一週間、早ければ3日くらいで、リハビリみたいなのして、そしたら、─泳げるよ─」

「ほんとか!?」

うん、多分すぐに泳げるはず。
陽都は回復力すごいし、それに
長年やってるものだから、体に染み付いてるはず。

「…8月入るまでに終わらせられたらベストかな。そこまでいけば、後は陽都次第だけど、優勝も出来るかもしれない。」

そういうとすごく嬉しそうな顔をする陽都。
泳ぎたいって気持ちがすごく伝わってくる。

「明日、は家にメニュー教えに行く。
さぼらずにちゃんとやってね。次にいくのは明明後日かな。それからは様子見る。」

うん、泳げそうだったら部活に行って貰うし、大丈夫かもしれない。

「わかった!絶対来いよっ!」

「行くよ。じゃあまた明日ね。」

「おうっ!」

ほんとに、泳げるのが嬉しいんだろうなぁ。

目を伏せれば、思い出す感覚が
すごく羨ましいなぁ─なんて。

明日渡すメニューだけ書いて
もう寝よう。
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