水に溺れた君と夏

よんのさん

あの後普通に帰って、一週間がたった。

大会まであと大体一週間ちょっと。
ずっと、行くかを迷っていて。

ごちゃごちゃした気持ちが心に残る。

そんな気持ちを楽にしたくて、梓月に電話をかける。

「…もしもし?梓月?」

「もしもし。伊月、どうしたの?」

とりあえず出てくれたことにほっとする。

「…声が、聞きたくて。」

「珍しい理由だね?」
クスクスと笑いながらそういう梓月。

「…ん。」

自分でもだめだなぁ。なんて思うほどに口数が少ない。

話すのすら面倒だけど、聞いてほしくて。
そんな中途半端で我が儘な思いが心の中にある。
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