水に溺れた君と夏
夏なだけあって、昼よりましとは言え、
太陽が肌を照りつける。

少しの眩しさに目を細めると
ふと、陽都が言葉をこぼした。

あの日のように、

「─タイム、計ってよ。─」

綺麗な姿で、水を楽しんで泳ぐ彼に
目を見開いた。

「今な、自己ベスト付近まではなんとか戻ってきたんだ。あと1歩。あと1歩なんだ。」

そういう彼の顔はキラキラと輝いて見えた。

この短期間でここまで出来るのは本当に凄い。水泳が、大好きなんだなって思う。

「でもな、タイムは前までの方がいいのに、今の方が気持ちよく泳げるんだ。」

なんでだろうな?─
柔らかい笑顔でそういう陽都。
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