水に溺れた君と夏
陽都はそう言って私の手首を掴むと
プールへ引っ張り私を落とした。

そう、落としたのだ。
お陰でわたしはびしょ濡れである。

「…え?」

何してくれてんの。着替えとかないんだけど。

「体育、休んでるけど。別に動かなければいいんだろ?」

体育は基本男女別で行う。
だから知っていることに驚いた。

…いや、みんな言ってるんだから知ってるか。

「伊月にも、"水"に触れてほしかったんだ。」
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