水に溺れた君と夏
暑さに額から流れ落ちる汗を
手でぬぐいながら観客席の方へ移動する。

つもりだった…。

これだけ暑いと喉も渇く。

陽都の出番まで時間はあるし、自販機によることにした。

…何にしようかな。

やっぱり、夏と言えば麦茶だよな。
まぁ偏見にしか過ぎないんだけど。

自分で思ったことに苦笑しながら
ボタンをおす。

──「伊月。」

ほんと、相変わらずだなぁ。
なんて思いながら彼の口からこぼれる私の名前に心が嬉しくなる。
< 75 / 108 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop