水に溺れた君と夏
魔法、か。

私で言うなら梓月の"大丈夫"が魔法の言葉。
絶対に大丈夫って思える。安心できる。

そんな気持ちを私が彼に出来るのなら

「───がんばれっ!───」

彼の背中をトントン、と軽く叩いて
いつもより少し大きな声でエールを送る。

それに驚いて今度は彼が目を見開いた。

けど、すぐに彼特有の太陽のような笑顔に戻って

「─ありがとう!─」

そう言って会場に向かっていった。
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