水に溺れた君と夏
「久しぶり、陽。」

「…凛。」

確かに今年は色々あって、久しぶり。だな。

「優勝、おめでとう。」

悔しそうに、でも嬉しそうにそう言ってくれる凛。
凛はすごくいいやつで、優しい。俺の大切な幼なじみ。

「ありがとう。」
これは心からでた素直な言葉だった。

「いやー、背の低い陽に負けるなんてなぁ。」

からかって笑いながら言う。

きっと彼なりの優しさだ。
嫌味でもなく、ずっと一緒に闘ってきた戦友としての言葉。

それが俺はすごく嬉しかった。
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