水に溺れた君と夏
「…まじかよ。」

驚いた顔をしてひとつため息をはいた凛だけど、丁寧に教えてくれた。

「小中の頃、僕らと同い年の将来有望のスイマーの双子がいたの、知ってるよな?」

「あぁ。」

その双子はすごく有名だった。
誰もが追い付けないような圧倒的スピードと丁寧さ、そして絆。

俺も一度は会ってみたいな、なんて思ってた。

「んで、中2のころ、いきなり姿を消した。」

…確かに、それ以来噂はばたりと消えた。
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