水に溺れた君と夏
なんと、驚くことにも梓月も同じものくれたんだよね。

でも革に書いてある文字はお互い知らなくて。

だから、約束したんだ。

"もう一度、舞台につれてってあげるから。ずっと一緒に、伊月と泳いでるから。"

そう言ってくれる梓月に私達は。

"うん、約束だよ。
だから、叶えることが出来たとき"

"うん"

""ふたりで蓋をあけて、文字を見よう。""

小さいとも、大きいとも言えない年齢の最中、ふたりで交わした約束。

それを梓月は今も覚えてくれてるし、
もちろん私だって覚えてる。

これが、─宮川双子が大事にしてるもの─
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