薔薇の棘のように
蘭奈side



息が上がる。



何してるんだろうか。りずという男は、勘が鋭いし、アビリティもある。新しく起業させてもいいかもしれない。



恨み、それを、生きる材料に出来るならその方がいいのだろうか。



「はぁっ」

鏡の前で左右反対な自分を見る。




パリーンッ!




自分に似ている自分をけがして、溺れてまみれて、赤く、真っ赤な1輪の薔薇のように。










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