俺様幼馴染の溺愛包囲網
乾先生と三隅先生
「今日も熱中症、増えそうだなぁ……。」
1学期、最後の週の木曜日。
燦々と輝く太陽が、オールした身体に容赦なく照りつける。
学校までの上り坂が、いつもよりキツく感じる。
昨夜は雅ちゃんの婚約祝いで、真奈美と真奈美のお姉さんの多香美ちゃんと女子会だった。
雅ちゃんと多香美ちゃんは同級生。
真奈美はずっと憧れていた、出版社に入り、今は少女漫画の編集に携わっている。
多香美ちゃんは、昨年結婚し、新婚ホヤホヤの専業主婦だ。
みんな同じピアノスクールの出身で、ずっと仲良し。
やっと聖くんからプロポーズされたと言うことで、水曜日の夜、急遽招集がかかり、4人でのお祝い会となった。
雅ちゃんのお家には、本邸と離れがある。
離れには長くお婆様が住まれてたんだけど、
雅ちゃんが大学に入った頃に亡くなられて、
その後リフォームし、雅ちゃんが一人暮らしをしている。
だから私も気兼ねなく泊めてもらうことができるんだ。
昨日の女子会も、もちろん雅ちゃんの離れだった。
雅ちゃんと真奈美はちゃっかり有給を取っていて、旦那さんが出張中の多香美ちゃんと、今朝は3人ともフリー。
いいなぁー。
こういう時、簡単に有給の取れない職に就いているとつらい。
大きなあくびが出そうになり、思わず口に手をやった。