俺様幼馴染の溺愛包囲網
今何時なんだろう…。
時計はまだ午後8時を少し回ったところだった。リビングのソファで1時間半くらい寝ちゃってたのか。
身体が冷え切っている。

「お前、冷え切ってるぞ。部屋に行け。」

「あ、うん。
……え、ちょっと!降ろして!歩けるから!」

ヒョイっとお姫様抱っこされる。
恥ずかしいし、妙にドキドキするし、何より高すぎて怖い!

「ボーッとしてるから、運んでやる。
温めてやるから。」

えっ!それは困る!
絶対温めるだけじゃ終わらないじゃん!

「亮!ダメ!
それだけで終わるつもりないでしょう⁉︎
うちじゃ絶対ヤダからね!」

「……別に、そんなこと考えてない。
……期待してるのか?」

「ち、違うよっ!……ねえ、降ろして?」

「……肩も、脚も…髪も、頬も……唇も……
全部冷たい。」

抱き上げたまま、髪に頬に唇に口づけてくる。…亮平が、甘い?
ううん。何か違う。

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