青の世界のあなたと、記憶をなくした私との365日の恋物語
病室の中に入ると、ベットの脇に長身の男が立っていた。
色白で線の細い男、中性的な顔立ちだがどこか冷たさを感じるイケメンだった。
そして、視線を横にずらすと、ベットの上に座り男の腕を掴む綺麗な女性。
青白いくらいに透き通るような白い肌、腰まであるだろう長い髪、大きな目に
薄い唇はほんのりと紅く色づいていて、まるで人形のようだった。
“こんなに綺麗な人がいたのか・・・”
俺は女性の儚げな姿に一発で心を奪われてしまった。
俺は男のジャケットの裾を掴んで離さないその姿に嫉妬の気持ちを覚えたが、
隣の安藤の存在に気づき、気持ちを取り直して一通り事情を聴き始めた。
話の途中、第一発見者の男がジャケットの裾を掴む手に自分の手を重ねる姿
そして、その行為に安心する顔をみせる女性に堪らない気持ちになりながらも
何とか心を鎮め事情を聴き終わった俺達は一先ず帰る事にした。
署に戻って女性に関する手掛かりがないか調べるものの、失踪届け、捜索願い
などにも女性に当てはまるものは一切無かった。
それから記憶喪失の女性の退院まで俺はその顔見たさに、捜査報告という
名目で病院まで何度か足を運んだ。
何度目かの訪問の時、女性から声を掛けられた。
「あの、刑事さん。
私、取りあえずですけど名前が出来たんです。
蒼さんが付けてくれたんですけど、『碧』っていうんです。」
「碧さんですか・・・素敵な名前ですね。」
碧という名前は女性にとても似合っていたが、その名前を付けたのが自分で
はない事に少なからずショックを受けていた。
俺は上手く笑えているだろうか・・・。
色白で線の細い男、中性的な顔立ちだがどこか冷たさを感じるイケメンだった。
そして、視線を横にずらすと、ベットの上に座り男の腕を掴む綺麗な女性。
青白いくらいに透き通るような白い肌、腰まであるだろう長い髪、大きな目に
薄い唇はほんのりと紅く色づいていて、まるで人形のようだった。
“こんなに綺麗な人がいたのか・・・”
俺は女性の儚げな姿に一発で心を奪われてしまった。
俺は男のジャケットの裾を掴んで離さないその姿に嫉妬の気持ちを覚えたが、
隣の安藤の存在に気づき、気持ちを取り直して一通り事情を聴き始めた。
話の途中、第一発見者の男がジャケットの裾を掴む手に自分の手を重ねる姿
そして、その行為に安心する顔をみせる女性に堪らない気持ちになりながらも
何とか心を鎮め事情を聴き終わった俺達は一先ず帰る事にした。
署に戻って女性に関する手掛かりがないか調べるものの、失踪届け、捜索願い
などにも女性に当てはまるものは一切無かった。
それから記憶喪失の女性の退院まで俺はその顔見たさに、捜査報告という
名目で病院まで何度か足を運んだ。
何度目かの訪問の時、女性から声を掛けられた。
「あの、刑事さん。
私、取りあえずですけど名前が出来たんです。
蒼さんが付けてくれたんですけど、『碧』っていうんです。」
「碧さんですか・・・素敵な名前ですね。」
碧という名前は女性にとても似合っていたが、その名前を付けたのが自分で
はない事に少なからずショックを受けていた。
俺は上手く笑えているだろうか・・・。