青の世界のあなたと、記憶をなくした私との365日の恋物語
江波の訪問から日が経ち、紹介された弁護士との顔合わせの日となった。

碧は朝からソワソワして落ち着かないようだった。

「碧、俺もいるしそんなに緊張しなくても大丈夫だ。」

「で、でも・・・。
 弁護士さんなんて、お世話になる機会なんてそうそうないので緊張
 しますよ・・・。」

「そうかもしれないが、江波さんが紹介してくれた人なんだから、良い人
 だと思うよ。」

「・・・そうですよね。」

まだ、緊張している感じがするが少しは落ち着いてきたかな。

碧の姿を横目に、幼い子を宥めるような愛しさが湧いて笑みが漏れた。


車に乗って、弁護士事務所に向かう。

目的地に近いコインパーキングに車を停め、歩いて向かうと事務所は
オフィスビルの立ち並ぶビルの15階にあった。

エレベーターから降り、目の前の受付に声を掛けると奥の部屋に通された。

暫くすると、ガタイの良いハーフのような男が部屋に入ってきた。

「お待たせしました。
 弁護士の斎藤 琢磨(サイトウ タクマ)です。」

「この度はお世話になります。
 私は氷室蒼、隣にいるのが今回の依頼人になります碧です。」

俺の言葉に碧も一緒に頭を下げた。

「どうぞお掛けください。」

俺達が椅子に腰を下ろすと、丁度良いタイミングでお茶が運ばれてきた。



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