青の世界のあなたと、記憶をなくした私との365日の恋物語
蒼との暮らしにもかなり慣れてきた。
初めて病院のベットで蒼を目にした第一印象は冷たくて寂しそう
な人だと思った。
低めのハスキーボイスは優しい言葉を掛けてるにも関わらず、その
目には何の感情も見えなかったから・・・。
それなのに、私は蒼に縋らずにはいられなかった。
冷たそうに見えたのに、私には唯一の味方のように思えた。
自分の事が何一つ分からない、でも日常生活には困らないくらい
他の事は大体できるが自分には不安しかない。
蒼はそんな私の心に添うように、この暮らしを提案してくれた。
二人で過ごす時間は、まるで春の木漏れ日のように穏やかにゆっくり
流れていくようだった。
退院した日のショッピングから、中川の妻の環さんが週二回来ては
料理を教えてくれるようになっていた。
初めは上手くできなかった料理も、環さんの教え方が上手いのか
メキメキと上達していった。
「碧ちゃん、今日はラタトゥーユを作りましょうね!」
「ラタトゥーユですか?」
「簡単にいうと野菜のトマト煮込みかな?
これから夏野菜が沢山出てくるから、覚えておくといいかも。」
「はい!」
早速、環さんと一緒に材料を切っていく。
初めて病院のベットで蒼を目にした第一印象は冷たくて寂しそう
な人だと思った。
低めのハスキーボイスは優しい言葉を掛けてるにも関わらず、その
目には何の感情も見えなかったから・・・。
それなのに、私は蒼に縋らずにはいられなかった。
冷たそうに見えたのに、私には唯一の味方のように思えた。
自分の事が何一つ分からない、でも日常生活には困らないくらい
他の事は大体できるが自分には不安しかない。
蒼はそんな私の心に添うように、この暮らしを提案してくれた。
二人で過ごす時間は、まるで春の木漏れ日のように穏やかにゆっくり
流れていくようだった。
退院した日のショッピングから、中川の妻の環さんが週二回来ては
料理を教えてくれるようになっていた。
初めは上手くできなかった料理も、環さんの教え方が上手いのか
メキメキと上達していった。
「碧ちゃん、今日はラタトゥーユを作りましょうね!」
「ラタトゥーユですか?」
「簡単にいうと野菜のトマト煮込みかな?
これから夏野菜が沢山出てくるから、覚えておくといいかも。」
「はい!」
早速、環さんと一緒に材料を切っていく。