青の世界のあなたと、記憶をなくした私との365日の恋物語
碧さんの戸籍が出来上がったのは、夏の盛りに差し掛かった頃だった。
「江波さん、戸籍ができました。
名前は『海野 碧』です。」
嬉しそうに碧さんが俺にお礼を兼ねて電話をしてきた。
「良い名前だね、碧さんに似合ってるよ。」
聞いて直ぐに碧さんにピッタリの名前だと思った。
「そうですか。
名前は蒼さんがつけてくれたんです。」
ただ、名付け親は氷室蒼だと聞いて、こんなにピッタリな名をつける程
碧さんの事をよく見ていたのだと思うと、いくら兄のような存在だと思って
はいても心穏やかにはいられなかった。
碧さんと話してから数日が経っていた。
戸籍も出来上がった今となっては、なかなか碧さんとの接点が掴めない
ことに苛立ちを覚えながら業務をこなしていた。
メールや電話で気軽に連絡してみれば良いだけなのかもしれないが、ヘタレ
の俺にはその一歩が踏み出せなかった。
相棒の安藤 久美子は、いつも笑顔で落ち着いている
俺が、いつもと違うことに不信感を募らせ聞いてきた。
「江波さん、最近なんかイライラしてませんか?」
「そ、そうかな?安藤の気の所為じゃないか?」
「そんなことないです。
絶対何かあります。
一人で抱え込まないでくださいね。
いつでも話聞きますから。」
「ああ、何かあったら頼むな。」
後輩にこんなこと言われるようじゃダメだな。
俺は自分の頬をバシっと叩いて気合を入れ直した。
「江波さん、戸籍ができました。
名前は『海野 碧』です。」
嬉しそうに碧さんが俺にお礼を兼ねて電話をしてきた。
「良い名前だね、碧さんに似合ってるよ。」
聞いて直ぐに碧さんにピッタリの名前だと思った。
「そうですか。
名前は蒼さんがつけてくれたんです。」
ただ、名付け親は氷室蒼だと聞いて、こんなにピッタリな名をつける程
碧さんの事をよく見ていたのだと思うと、いくら兄のような存在だと思って
はいても心穏やかにはいられなかった。
碧さんと話してから数日が経っていた。
戸籍も出来上がった今となっては、なかなか碧さんとの接点が掴めない
ことに苛立ちを覚えながら業務をこなしていた。
メールや電話で気軽に連絡してみれば良いだけなのかもしれないが、ヘタレ
の俺にはその一歩が踏み出せなかった。
相棒の安藤 久美子は、いつも笑顔で落ち着いている
俺が、いつもと違うことに不信感を募らせ聞いてきた。
「江波さん、最近なんかイライラしてませんか?」
「そ、そうかな?安藤の気の所為じゃないか?」
「そんなことないです。
絶対何かあります。
一人で抱え込まないでくださいね。
いつでも話聞きますから。」
「ああ、何かあったら頼むな。」
後輩にこんなこと言われるようじゃダメだな。
俺は自分の頬をバシっと叩いて気合を入れ直した。