青の世界のあなたと、記憶をなくした私との365日の恋物語
________3月25日

「おはよう。」

「おはようございます。」

いつものように二人で簡単な朝食を食べる。

今日が最後の日だとは思えないくらい、普段と何も変わらない

食べ終わった食器を片付けていると、シャツを腕まくりしながら
蒼さんが声を掛けてきた。

「後は俺がやっておくから、碧は準備してきて。」

「え、でも・・・。」

「いいから、いいから。
 30分後にここに集合。」

有無を言わせない蒼さんに、ここは折れるしかない

「じゃあ、すいませんがお願いします。」


私はそう言って二階の自分の部屋に向かった。



30分後、身支度を終えリビングに降りると、いつもより3割増し
にカッコいい蒼さんがそこにいた。

髪の毛はワックスで軽く後ろに流し、普段着ないスーツまで・・・。

驚きに声も出ずにいると

「あぁ~、やっぱり碧にはそのワンピースが似合うな。」

蒼さんがどこか懐かし気に私の姿を見て言った。

「そ、そうですか・・・。」

好きな相手にそんな事を言われて、嫌な気になる人なんていない

私は、頬が火照るのを感じた。



「じゃあ、行こうか。」

「はい!」



さあ、私達の最後の時間が始まる。






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