青の世界のあなたと、記憶をなくした私との365日の恋物語
時間になり、親子三人で授賞式パーティーの行われる会場に向った。
パーティーでは、壇上に上がり言葉少なながらも感謝の言葉を言う
蒼の姿に、碧は誇らしい気持ちで見つめていた。
パーティー会場には、今回受賞した蒼の作品が一番目立つ中央に
飾られていた。
『蒼のシレーヌ』
そう題されたこの画は、三年前に蒼が碧に描いた画だった。
オリエンタルな雰囲気の緑がかった青の世界の中央に、岩に腰
かける人魚の姿。
その顔は、慈愛に満ちた笑みを浮かべる碧だった。
今までの青一色の世界とは違い、青の中に温かみのある色彩で
描かれた人魚・・・。
片腕に亜藍を抱きながら、蒼は碧の隣に立っていた。
すると碧が蒼の耳に口を近づけ囁いた。
「私は、とっても素敵な王子様に出会えて幸せです。」
少しはにかみながら言う碧に、蒼は誰にも気づかれないように
そっと額に口づけをした。
一人寂しく海の底で過ごしていた人魚は、海の泡ではなく、素敵な
王子様の愛するお妃さまになりました。
fin
パーティーでは、壇上に上がり言葉少なながらも感謝の言葉を言う
蒼の姿に、碧は誇らしい気持ちで見つめていた。
パーティー会場には、今回受賞した蒼の作品が一番目立つ中央に
飾られていた。
『蒼のシレーヌ』
そう題されたこの画は、三年前に蒼が碧に描いた画だった。
オリエンタルな雰囲気の緑がかった青の世界の中央に、岩に腰
かける人魚の姿。
その顔は、慈愛に満ちた笑みを浮かべる碧だった。
今までの青一色の世界とは違い、青の中に温かみのある色彩で
描かれた人魚・・・。
片腕に亜藍を抱きながら、蒼は碧の隣に立っていた。
すると碧が蒼の耳に口を近づけ囁いた。
「私は、とっても素敵な王子様に出会えて幸せです。」
少しはにかみながら言う碧に、蒼は誰にも気づかれないように
そっと額に口づけをした。
一人寂しく海の底で過ごしていた人魚は、海の泡ではなく、素敵な
王子様の愛するお妃さまになりました。
fin