宇佐美くんの口封じ
依里のことが大好きで、沢山いる遊び相手のうちの1人でも良いって思ってた。
だから、身体の関係なしにそばに居る雨宮せんぱいが羨ましくて、ムカついて。
依里が遊び相手とデートをするなんて聞いたことがなかった。
2人の姿を見た時、"この人はあたしとは違う枠にいる"ってすぐに察した。
依里もせんぱいも、その時は自分の気持ちに気付いてなかったのかもしれないけど。
出会った時からずっと、雨宮せんぱいはあたしの憧れで、
───手の届かない位置にいたの。
「あんたら、本当ダサすぎ。依里に見つかるとかバカじゃないの。…まあ呼んだのあたしだけど」
「…っ、ムカついたのっ!私たちじゃ手の届かない人だったから、…」
ああ、分かる。
あんたたちが依里や青戸くんに手が届かないと思うのは、あたしが雨宮せんぱいに追いつけないのと同じだ。
どうにかして陥れたいって思っちゃうんだよね、わかる。