宇佐美くんの口封じ




自他ともに認める寂しがり屋な俺は、その日も音楽室にある準備室で"満たして"もらっていた。


今日の相手は、同じ部活のサラ先輩。


胸もあるし、女性の身体って感じがして嫌いじゃない。

「はやくはやく」って欲しがるところも嫌いじゃない。



サラ先輩とここで会うのは3回目。
相性が良いのかもしれない。


「彼氏のこと面倒になってきた」って言うところも、恋愛に適当な俺と少し重なって、嫌いじゃなかった。





「…ね、はやくきもちよくして?」





そういう彼女に頷く俺は、相変わらず誰かに満たされて満足する生活を送っていた。




俺に足りないのは愛だと思う。


…いや、ロマンチックな人間になりたいとかそういうのではなく、真面目にそう思うのだ。


< 166 / 234 >

この作品をシェア

pagetop